今日読んだ本

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森見登美彦夜は短し歩けよ乙女


書店で平積みされていた「夜は短し歩けよ乙女」を初めて見たとき、私は冗談ではなく雷に打たれたような衝撃を感じた。見事な表紙と題名は、名作の風格を持っていた。
どうしても「夜は短し歩けよ乙女」のことを考えると、同時期に、「少女七竈と可哀想な七人の大人」も見事な風格で平積みされていたのを思い出す。あのころは、誰も桜庭一樹芥川賞を受賞するとは、思っていなかっただろうが、見事な作品だった。私個人では、桜庭一樹で一番好きな作品でもある。
飛躍するが、「夜は短し歩けよ乙女」と「少女七竈と可哀想な七人の大人」が書店で並んで平積みされていたあの時は、黄金時代だった。
作家としてのベクトルが真逆な、森見登美彦桜庭一樹が一般に知られる契機となった作品が、同時期に刊行されるという奇跡が、あったという奇跡が黄金時代だったと私に言わせるのだ。



まあ、そんなこんなで買う気満々だったのですが、どうせなら二冊ともそろって買いたいと思ったのですが、その当時私はスッカラカン。一冊買うだけのお金を絞り出すので、精一杯。片方だけ買うなんて耐えられないと思った私は買うのを断念し、図書館で借りて読んだのでした。
まぁそんなこんなでハードカバーで一回読んでいたのですが、文庫になりましたので購入。「少女七竈と可哀想な七人の大人」も買おうかなーと思ったけど、桜庭さんへの愛はいまいち薄れていたし、書店になかったので諦め帰宅。(いやはや、今までの熱い語りは何だったんだか。)

そして読了

ということで、簡単に「夜は短し歩けよ乙女」の感想。
森見登美彦の作品は、どれもこれもヒロインの描写が、良い。かわいらしさが、うつくしさが、主人公が感じる愛おしさが、まさにあふれ出ている感じで、読み終わると恋したくなる。冗談じゃなく、マジで。
ていうか、ヒロインに恋してしまう。

あぁ恋はすばらしき



追記
羽海野チカの「かいせつにかえて」もいい!!!!!!