1日に読んだ本
完璧の構成で、中々の長編なのに設定に破綻のなさは流石ベテラン。
しかも、テンポがとてもよく、頁をめくる手が止まるタイミングを与えてくれず、ガンガン読まされてしまうので、長い休み向け。
私はなにもかもうち捨てて、５時間ぶっとうしで読みました。
そのしわ寄せが今来ていて、あっぷあっぷなので、若干恨めしいけど、結構な作品かな。
ただ情緒とか、文章の雰囲気はイマイチ。
主人公の手記みたいな書き出しは好みでないし、文章も上手く削ぎ落とされて完成されているけど、心に響かなかった。
あと、同性愛もリアリティを造るためには必要なのかもしれないけど、突然過ぎて少し面食らったのと、
全体的にエンターテイメントとしてはよかったけど、不思議と読み終わっても、何も残らない感じがあって少し空しかった。
何となく日常場面に魅力がなかったし、主人公や登場人物が浮世絵離れしすぎていて、それぞれの人生が感じられなくなってしまっていた。
そこさえ、もっと良ければ、もっとよかったかな。
ただ色々けなしたけど、いい作品だからぜひ一読を
（私はいい作品であればあるほど、けなしたくなるので）。
